株式会社Mico

「外注ではなく共創」株式会社Micoが選んだ営業支援パートナーと、IS組織が変わった理由

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株式会社Mico様は、「Mico Engage AI」「Mico Voice AI」などのLINE×AIプロダクトを通じて、ブランドと顧客の関係構築を支援するSaaS企業です。 事業拡大に伴い、有効商談数は目標を達成していた一方で、「受注まで含めた生産性の最大化」や「勝てるターゲット領域の見極め」が顕在化していました。 本インタビューでは、エンミッシュと共に進めたインサイドセールス戦略の再設計とテストマーケティング、その結果であるKGI133%達成までのプロセスを、マーケティング・インサイドセールス部 部長の木村様に伺いました。

木村 響太様(マーケティング・インサイドセールス部 部長)
「Mico Engage AI」「Mico Voice AI」「ミコミー」「BizClo」「SMS/RCS」をはじめ複数プロダクトのインサイドセールスを統括。
ターゲット戦略設計、有効商談創出、アウトバウンド施策の立案・運用、Salesforceを活用したデータマネジメントまで一気通貫で担当。
経営指標と現場KPIを接続する設計に強みを持ち、「なぜこのターゲットか」「なぜこのKPIか」をメンバーと共有し、自律的に成果を出す組織づくりを推進しています。

導入の目的
  • 有効商談数および商談価値の最大化
  • 幅広いターゲットに対する「勝ち筋」の検証(テストマーケティング)
  • 短期成果と中長期スケールを両立するインサイドセールスモデルの構築
課題
  • 有効商談数は確保できていたものの、成約率・LTV・UE(ユニットエコノミクス)を含めた「受注までの生産性」に課題が残り、商談の質改善が急務だった
  • 複数プロダクトを多業種へ展開できる強みがある一方で、「勝ちやすいセグメントや単価帯」を定量的に把握しきれておらず、優先度判断が属人的になっていた
  • 事業拡大のスピードに対して採用・育成リソースが追いつかず、特にエンタープライズBtoBに耐えうる人材の早期育成が難しい状況のなか、短期間で仮説検証を回せる体制が未整備だった

木村様の役割と、インサイドセールス組織のミッションについて教えてください。

木村様 現在はインサイドセールス全体と一部マーケティング領域を統括し、社内では「リードジェンチーム」として活動していました。
Mico Engage AI」「Mico Voice AI」「ミコミー」「BizClo(一部)」に紐づくターゲティングから商談創出までを一貫管理し、有効商談の量と質の双方を担保することが大きな役割です。
ミッションは主に以下の4点です。

・有効商談数および有効商談金額の最大化

・SDR/BDRを含むインサイドセールス組織の戦略設計と運用

・展示会・ウェビナー・カンファレンス・比較サイト等を通じた効率的なリード創出

・採用・育成・評価・キャリア設計を含むピープルマネジメント

有効商談数はこの半年ほどずっと達成できていましたが、それだけでは不十分だと感じていました。
成約率・UE・LTV・売上までつながる「受注までの一連の数字」を見直し、インサイドセールスのKPIも経営指標に接続し直す必要があると判断したんです。
そこで、経営が見ている指標をメンバーにも開示し、「なぜこのターゲットなのか」「なぜこのKPIなのか」を朝会や1on1で丁寧に共有しました。
行動と事業インパクトのつながりが腹落ちする状態をつくることで、自律的に動ける組織を目指しています。

 

マネジメントで意識されていることについて教えてください。

木村様 マネジメントをする上で大きく3つのことを意識しています。
1つ目は、「なぜこの数字なのか」を伝えきることです。
経営指標との関係や「このターゲット・単価・件数で臨む理由」を具体的に言語化し、「言われたからやる」ではなく自分ごと化してもらうことを重視しています。

2つ目は、短期のモチベーション設計です。

・承認の文化:小さな成功も言語化して称賛。朝会で前日のアポ・有効化を共有し、週次で「グッドポイント」を出し合う場も設けています。

・行動の具体化:目標を細分化し、「今日この行動量と質でアポ2件に近づける」と具体的に描けるレベルへ落とし込みました。自走できるメンバーには裁量を渡し、それ以外のメンバーには行動設計から伴走します。

3つ目は、中期の内発的動機づけ(キャリアの可視化)です。
週次1on1のNotionフォーマット内に「キャリア」のアジェンダを必ず置き、月1回はGoogleスライドで作成した「なりたい姿」と四半期アクションに立ち返ります。
「今の数字が将来にどうつながるか」を実感できる状態をつくりました。
一方で大きな課題は「採用」と「教育」です。
特にエンタープライズ対応では要求水準が高く、短期育成は容易ではありません。教育プロセスの仕組み化でコストを抑え、早期に一定水準へ引き上げるモデルづくり、そして優秀人材の継続採用が大きなテーマだと感じています。

 

外部の営業支援パートナーが必要だった理由を教えてください。

木村様 理由は3つあり、まず1つ目は成長スピードとリソースのギャップです。
検証すべきセグメントが増える中、採用・育成だけでは出力に追いつかないため、短期で成果と仮説検証を両立できる即戦力・外部稼働リソースが必要でした。

2つ目は「勝てる領域」を検証するための基盤づくりです。
複数プロダクトを持ち、BtoB・BtoC問わず幅広い業界に価値提供できるポテンシャルがある一方で、「どのターゲットに何を伝えるべきか」を定量検証する仕組みが弱く、外部と連携して高速に回す必要がありました。
まずは営業支援パートナーと組んでテストマーケティング的に「このセグメントは勝てるのか」をクイックに検証する。そのうえで、本当に勝てる領域に腰を据えて投資する――そのために外部パートナーが必要でした。

3つ目は経営指標と現場オペレーションの接続です。商談数など手前指標に留まらず、成約率・UE(ユニットエコノミクス)・LTVまで一貫して考える視点を強化したかったためです。

 

3社同時比較の狙いと、エンミッシュの評価ポイントを教えてください。

木村様 2025年7〜9月で3社に同時参画いただき、同条件で比較しました。狙いは中長期のパートナー適性の見極めです。成果に加え、戦略の質・データの扱い・コミュニケーション姿勢を総合評価しました。
エンミッシュ様には以下3点で大きな価値を感じました。
戦略設計力:有効商談数・成約率・平均単価・CACといった指標を踏まえ、狙うべき業界・セグメントをシミュレーション付きで提案いただきました。「なぜこのリスト・トークか」をそのまま社内展開できる解像度で示してくれました。

データマネジメント×Salesforce:日々の活動と結果がSalesforce上で丁寧に記録されており、通電率・有効化率などの問いに定量で即応。感覚ではなく数字で議論でき、次の一手の設計が容易でした。

共創スタンス:「契約範囲だからここまで」という線引きではなく、受注に近づく視点で柔軟対応いただけました。商談数だけでなく質や受注インパクトまで一緒に見にいく姿勢が、発注先ではなく同じ目標を追うチームメイトだと感じられました。

結果として、有効商談数のKGIに対して3カ月で133%を達成できました。

 

今後、エンミッシュ様へ期待することを教えてください。

木村様 現状への不満というより、「ここまで行けるポテンシャルがある」と感じているからこその期待です。
特に期待しているのは次の3点です。

・主体的なターゲティング・戦略提案:数字推移から早期絞り込みや、UE観点でのシフト提案など、先回りの提案を一層期待します。

・ISコンサルとしてのナレッジ体系化:成功パターンをプロセス設計や教育支援に落とし込んで共有いただけると価値がさらに高まると思います。

・組織内伴走の深化:半常駐やプロ人材的な関わりで、内側から仕組みづくりまでご一緒できると理想的です。

現状への不満ではなく、経営コンサルティングのレイヤーまで届くポテンシャルがあると感じています。

 

本プロジェクトを通じて得た学びを教えてください。

木村様 大きく3つの学びがありました。

1つ目は、外部パートナーを「工数」ではなく「戦略パートナー」として活用すべきであるということです。
有効商談の定義やターゲット設計、Salesforceでのデータ設計まで含めて議論できたことで、自社だけでは見落としがちな視点を補完していただけました。

2つ目は、「数字のつながり」を言語化する重要性です。
有効商談数、成約率、単価、CACを個別に見るのではなく、一連のストーリーとして設計し、組織全体で共有することで、メンバーの行動が変わることを実感しました。

3つ目は、テストマーケティングとナレッジ蓄積のスピードを上げる重要性です。
複数セグメントでの検証結果をデータとして蓄積し、「まず実行し、検証し、構造化して次に活かす」というサイクルを高い速度で回すことが、成長に直結すると改めて認識いたしました。

今回のプロジェクトは、エンミッシュ様の支援を通じて、当社のインサイドセールス組織を一段引き上げるきっかけになったと感じております。

 

編集後記

今回のインタビューからは、「有効商談数だけでなく成約率・UEまでを見据えた意思決定」「外部パートナーを戦略的に活用して勝ち筋を高速に見極める」という、成長企業のIS組織が直面する課題とその突破口が浮かび上がりました。
インサイドセールスの再設計や外部パートナー活用を検討する企業にとって、多くの示唆がある内容となりました。
エンミッシュの支援はこのような課題に対し非常にマッチし、事業成長を加速させる成果を創出いたします。

もし同じような悩みをお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせよりご相談下さい。