株式会社ファーマフーズ

Marketing Cloud Engagementで接点最大化とDX基盤を構築し、施策数7倍・LTV改善へ

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今回は株式会社ファーマフーズ 呉様に導入の狙いから構築プロセス、運用の型化、そして今後の展望までを伺いました。

呉 様(CRM部門責任者)
入社後は一貫してCRMを担当。「自社原料を活かした製品を直接お客様に届ける」方針のもと、研究開発中心だった同社で通販事業の立ち上げに参画し、当初は単独でCRMを推進。
現在は約20名の組織でグループ3社のCRMを統括し、顧客接点から施策設計までを一気通貫でリードしています。

導入の目的
  • MCを中核に業務プロセスを標準化・自動化し、企画/検証に投資する時間を最大化
  • 広告×CRMを一体設計し、顧客接点の最大化とLTV向上を両立
課題
  • Web比率は高い一方でメール取得率が低く、メルマガ活用が限定的
  • SNS/SMS配信が手作業中心(抽出〜テンプレート選定〜配信設定で丸1日)、長期休暇中は配信停止・遅延が発生
  • 手集計に依存し、数値の正確性・再現性が低く戦略判断が難しい

Marketing Cloud Engagement導入以前の課題を教えてください。

呉様 「Web経由のお客様は多いのにメールアドレスの取得率が伸びず、メルマガの打ち手が限られていました。SMSは週2〜3回配信していましたが、抽出→テンプレート選定→配信設定まで人手で行っており、1配信に丸一日かかることも。長期休暇には配信が止まり、接点の連続性を確保できませんでした。集計も手作業に依存していたため、正確性と再現性に不安が残り、次の一手の意思決定が遅れがちでした。
当社は「免疫・老化・神経」をテーマに、3カ月以上の継続で効果をご実感いただく前提の商材を扱っています。継続のモチベーション設計と期待値の適正化が肝要であり、中断しない多チャネル接点と自動化を両立できるMarketing Cloud Engagement(以下、MCE)導入が最適だと判断しました。」

 

Marketing Cloud Engagement採用理由、パートナーにエンミッシュを選んだ決め手を教えてください。

呉様 「人手で担っていた抽出・配信設定などの工程を自動化し、運用負荷を抑えながら施策を拡大できる手立てを、コストとのバランスを踏まえて検討しました。MCEは既存の QlikView※ のフラグ/データをほぼそのまま活用してスムーズに移行でき、自動化まで一気通貫で実現可能だったことが決め手です。ランニングコストも従来の配信費用とほぼ同等で、当社の最優先事項である業務効率化に適合しました(初期の構築・開発費は別途発生)。
パートナーにエンミッシュを選んだ理由は、Salesforce 導入・運用の豊富な実績に加え、セールスフォース・ジャパン出身の河原さんが MCE 資格に裏打ちされた知見と提案力を備えていたこと。同業界の近似事例から再現性を見込めたことも大きな要因です。さらに、インターネット広告運用 × Salesforce コンサルを CRM に一体設計できるワンストップ体制により、企画 → 実行 → 検証 → スキルトランスファーまで回せる見通しが立ち、正式に依頼しました。」
※QlikView:BI/データ分析プラットフォーム。

 

実施した施策と構築プロセスを教えてください。

呉様 「段階的に取り組み、立ち上げ → 検証 → 展開を素早く反復できる運用土台をこの数年で整えました。現時点で定量的に言える変化は7倍の拡大と、自動配信化によるレスポンス改善です。売上・獲得件数の直接的な寄与は未計測ですが、多施策化とテスト容易性の向上が各商品のLTV改善に寄与していると見ています。」

▼①基盤を整える(迷わない運用)

 既存のQlikView(BI/データ分析)のフラグ/データをMCEへ再マッピング。あわせて命名規則・権限設計・レビュー手順まで運用ルールを整備し、誰が見ても迷わない状態に整えました。

▼②接点を最適化(メール → SMS→ LINE)

まずはメールを起点に接点を設計し、メール未取得層はSMSで補完しました。SMSは即時性に優れる一方で文字数・表示特性に応じた表現設計が求められるため、文面/頻度/導線のチューニングを継続。あわせて、より即時性のある顧客接点を拡充する観点から、日常的に利用されるプラットフォームであるLINEを段階的に取り入れました。今後は、LINEへ集約する方針とし、接点の信頼性と運用効率の両立を継続しています。

▼③自動化と型化(スピードと再現性)

MCE上でオーディエンス抽出〜配信を自動化。登録すればA/Bテストが容易で、期間指定やクリエイティブ差し替えも即応が可能に。定期引上げ/休眠掘り起こしなどをテンプレート化して横展開し、新商品も数日で多チャネル立ち上げできる運用に刷新しました。

 ※施策数の増加は本来コスト増の懸念がありますが、人手工程の削減と差し替え運用の効率化により、“試せる施策”を増やせる状態を優先しています。

▼④二人三脚の運用体制(内製は道半ば)

内製化は現時点で道半ば。日々の配信や一部の実装は社内で対応しつつ、全体設計・高度オートメーション・機能適用はエンミッシュ様と二人三脚で意思決定。提案・検証・差し替えを繰り返し、スピード/品質/再現性を両立しています。人員増・新商品数の増加に対応するため、単純作業は自動化し、捻出工数をクリエイティブへ再配分する方針です。

 

導入後の変化と成果を教えてください。

呉様 「最大の変化は、“速く・同じ品質で・何度でも”回せる体制になったことです。施策数は約7倍に拡大し、新商品も数日で多チャネル同時展開が可能になりました。抽出〜配信の自動化で単純作業を削減し、マーケティング施策を多角的に展開できるようになった結果、構想・表現づくりなどクリエイティブや思考に時間を投下できています。接点の増加とメッセージ最適化が進み、各商品のLTVにも着実に寄与しています。」

■効いたポイント
・スケール: 10→70(7倍)/テンプレート化で横展開が容易

・スピード: 新商品をスピード感を持って、もれなくアプローチできる体制に

・自動化: A/Bテスト・差し替えを効率よく運用

・リソース配分: 単純作業から企画・検証へシフトし、意思決定が高速化

・多角化: 施策の選択肢が広がり、クリエイティブと“考えるところ”に投資できる運用へ

・LTV: 接点拡大とメッセージ最適化により、商品別LTVの改善に寄与

 

担当のエンミッシュ 竹ノ内

 

エンミッシュの評価と今後について教えてください。

呉様 「日々の運用では、トラブル対応の速さ、要望のくみ取りと提案の的確さ、柔軟な対応に助けられています。担当の竹ノ内さんは、当社の背景・制約を踏まえて論点を整理し、実行可能な選択肢を明快に提示してくれるため、運用が滞りません。伴走支援の結果、業務は安定して回っています。
一方で、MCの活用にはまだ伸びしろがあると見ています。今後は、機能の組み合わせがどの程度の工数削減・成果向上につながるかまで踏み込んだ短サイクルの提案、活用余地と具体的ユースケースの提示、勉強会・ナレッジ共有の拡充、ロイヤル顧客の定義とタッチポイント設計の共通言語化→KPIへの落とし込みを共同でアップデートしていきたいと考えています。再現性の高い並走を継続したいです。
また、新たな打ち手については、適切な外部パートナーの紹介も含めて引き続き並走をお願いしたいです。直近の目標は、ロイヤル顧客(数十万人)の1.5倍化。オフライン媒体とLINE等のオンライン接点を連動させ、双方向コミュニケーションを強化していきます。 次のフェーズとしてAI活用を視野に入れています。配信設計の省力化やクリエイティブの表記・オファー整合の一次チェックなど、運用品質を保ちながら手戻りを減らせる領域から検討を進める予定です。」

導入や運用を検討されている企業様へアドバイスをお願い致します。

呉様 「導入後のフォロー不足やコミュニケーション機会の少なさは、最も心配していた点でした。実際には、エンミッシュ様に二人三脚で伴走いただき、疑問やトラブルはその場で解消していただいており、当社の背景・制約を踏まえた論点整理と選択肢提示、そして迅速なリカバリーと柔軟な対応により、運用が止まることはありませんでした。
この前提ができたことで、配信の自動化と差し替え運用を着実に回せるようになり、検証の回転を落とさずに施策を積み上げられています。
導入時に懸念していた「フォローがないのでは」という不安は、当社のケースでは発生していません。導入の成否は“運用が止まらない仕組みと伴走体制”で大きく変わります。検討段階からその体制を必ず確認されることをお勧めします。」