株式会社ロゴスコーポレーション 様
「見えないものが見えるようになった」Marketing Cloud Engagementと広告の一体化で実現した、“測れて回る”仕組みづくり
株式会社ロゴスコーポレーション様は、2021年の無料会員制度導入をきっかけに会員数が大きく拡大する一方で、「誰に・どんな内容を・どのタイミングで届けるか」という配信設計や、広告成果の“見える化”が新たな課題として浮上しました。 この課題に対し、Marketing Cloud Engagement(以下、MCE)を活用したOne to Oneコミュニケーションの強化と、広告運用の再構築を並行して推進。 本インタビューでは、MCE導入の背景から具体的な成果、そして今後の展望までを、事業開発部の神吉様・営業販促企画部の中野様に伺いました。
神吉 夏央里 様(事業開発部)
全国の直営店の販促施策を担当し、店頭とデジタルをつなぐコミュニケーション設計を推進。
ポイント会員向けメルマガの企画・配信・効果検証を一気通貫で担い、「必要な情報を、必要なタイミングで」届ける仕組みの定着に注力。
中野 孝則 様(営業販促企画部)
Webサイトの方針策定・運用、営業販促、SNSを横断し、計測設計からクリエイティブ実装まで一貫して担当。
部門横断のハブとしてオンラインと店舗の接点づくりを推進し、施策の設計→検証→改善を継続的に磨き込む。
- 導入の目的
-
- セグメント設計とシナリオ運用を標準化し、「必要な人に、必要なタイミングで」届ける配信の“当たり前化”を実現。検証を高速化し、運用の再現性を高める。
- 配信(MCE)と広告を同一方針・一体の計測設計で統合し、計測から運用までを一貫化。改善サイクルを加速させ、成果最大化につなげる。
- 課題
-
- 会員数の拡大に対し、既存メルマガは振り返りが難しく、内容が画一的になっていた。直営店・EC・SNSといった複数チャネルにまたがる接点を持ちながら、初心者〜ファミリー〜経験者と幅広い顧客層に応じたOne to One設計が不足していた。
- 過去の広告委託では専門性や意思疎通の不足から実装・検証が停滞。やりたい施策が「難しい」で止まり、配信と広告が分断され、計測と運用の一貫性が確保できていなかった。

MCEを導入した背景・理由について教えてください。
神吉様 2021年に無料会員制度を始めたタイミングで、想像以上に会員数が増えましたが、その一方でメール配信がどうしても一律になってしまい、もっとお客様ごとに最適化したいという課題がありました。
当時は「誰に・どんな内容を・いつ届けるか」を整理できておらず、配信の振り返りもしづらい状況でした。
そんなときにSalesforceさんからエンミッシュさんを紹介してもらい、最初の打ち合わせから“柔軟に対応してくれる会社だな”という印象を持ちました。
One to Oneの精度を上げていくには、細かなセグメント設計と高速な検証サイクルが欠かせない。
それを実現できるパートナーとして、エンミッシュさんにご支援いただくことになりました。
プロジェクトを始めてみて実際どうでしたか。
神吉様 実際に伴走が始まると、まず驚いたのは“できない理由を探さない”という姿勢でした。
こちらが「こうしたい」と言うと、すぐに「では、こうすればできますね」と代替案を出してくれる。
知識が追いつかない部分があっても、丁寧に説明してくれるので安心感がありました。
初期は会員データの整理やチャネル間の整合性を取るところから始まりましたが、エンミッシュさんが配信基盤の設計や運用の型化をリードしてくれ、「テスト配信→分析→改善」のリズムが自然とチーム内に根づいていきました。
中野様 広告の面でも同じ印象です。
以前お願いしていた代理店では、専門的な部分が追いつかず、売上計測すらできていなかった。
「どの広告が成果につながっているのか」がまったく見えなかったんです。
エンミッシュさんに切り替えて最初にしてくれたのが、「測れる仕組みを整えること」でした。
たったそれだけで、世界が一気に変わった感覚がありました。
数値を根拠に議論できるようになって、チーム全体の判断スピードが一段上がりましたね。
実施した施策と成果について教えてください。
神吉様 MCEでは、まずセグメントを再構築しました。
「誰に・何を・いつ送るか」を再定義し、シナリオ配信を小さく回して検証を積み重ねる形です。
件名や配信タイミングを変えるだけで反応が大きく変わることがわかり、開封率も従来の約2倍にまで上がりました。
今では、配信チームの中で「どうすれば成果が出るか」を数値で議論できるようになっています。
中野様 広告では、GoogleとMETAを中心に再設計を行いました。
商品フィードを整理してショッピング配信を整備し、配信・在庫・価格の整合が取れた体制を構築。
導線を改善した結果、一定数以上の流入が安定して発生するようになり、ROASも平均でおよそ5倍前後にまで改善しました。
配信と広告を同一指標で見られるようになったことで、施策全体の整合性がぐっと高まりました。
エンミッシュの評価について教えてください。
神吉様 やっぱり一番感じるのは「相談のしやすさ」です。
チャットでもすぐに返答が来ますし、こちらが疑問に思ったことを投げかけると、“できる方法”で返してくれる。
このスピード感がすごくありがたいですね。
中野様 定例ミーティングもフランクで、数字を見ながら率直に意見を交わせる空気があります。
以前のように“代理店にお願いする”という距離感ではなく、本当に同じチームとして一緒に考えてくれている感覚があります。
最近では、数字の見方や判断基準もどんどん揃ってきていて、社内の一員のような存在です。

今後の展望について教えてください。
神吉様 今後はカテゴリ別にさらに精度を高めたいと考えています。
テントやアパレルなど、商材によってお客様の動機が違うので、すべてを一度に最適化するのではなく、反応が良い層から順に深めていきたい。
One to Oneの完成形を見据えつつ、“必要な人に、必要なタイミングで”を確実に実現できる仕組みにしていきます。
中野様 広告では、新規と既存を明確に分けて計測し、チャネルごとの役割を整理していく予定です。
MCEと広告を共通KPIで結び、休眠復活と新規獲得の両軸で成果を積み上げていきたい。
会員データと広告の掛け合わせによって、より精度の高い施策を再現性高く回せる体制を目指しています。
このプロジェクトで得た学びについて教えてください。
中野様 やはり「測れること」がすべてのスタートラインだと実感しました。
数字を可視化することで、感覚ではなく事実ベースで判断できるようになりましたね。
神吉様 エンミッシュさんの強みは、専門性だけでなく“伴走力”です。
私たちと同じ目線で課題を分解し、仮説を立て、最後までやり切ってくれる。
ツール導入にとどまらず、実際の成果につながるところまで寄り添ってくれるからこそ、信頼できるんです。
編集後記
株式会社ロゴスコーポレーション様の「数字で成長を設計する姿勢」は、まさにデジタルと現場をつなぐ理想的な形でした。
MCEと広告を共通のKPIで結び、「見える・回る・伸ばせる」体制を確立。
今後も、データとクリエイティブの両輪で、成果をともに創出してまいります。